主な業務紹介
◇相続 ②
☆父を定める訴え
・離婚後、50日後に再婚し、再婚後201日目(離婚後251日目)に生まれた子は、前夫
の子です。⇒「推定される嫡出子」
・一方、婚姻の成立から201日目でもあるので、後夫の子でもあります。⇒「推定される
嫡出子」
・この場合は、家庭裁判所が父親を決定します。
(注)・このような事態を未然に防ぐために設けられたのが、女性の再婚禁止期間(6箇月)の規定です。なお、このような事態が起こるのは、婚姻の届出が誤って受理されてしまったときです。
☆嫡出の否認
・推定される嫡出子については、夫は「自分の子ではない!」と主張することができます。
⇒嫡出の否認
・子または親権を行う母親に対して、「嫡出否認」の訴えが必要です。
・嫡出否認の要件
①この訴えを提起することができるのは、夫だけ。
②夫がこの出生を知った時から、1年以内に訴えを提起すること。
③この出生後に、その子を摘出子であると承認したときは、その後は否認できない。
☆認 知
<認知とは>
・嫡出でない子⇒婚姻していない男女間に生まれた子を、自分の子として認めること⇒「認知」
・認知は、市区町村長に戸籍の届出をして、受理されることが必要です。
<認知できるのは?>
・嫡出でない子を認知できるのは、もちろんその子の父または母です。
・また、父や母が未成年、成年被後見人であっても、判断する意思能力がある限り、単独で、認知をすることができます⇒法定代理人の同意はいりません。
<認知の要件>
①成年になった子を認知するには、その子の承諾が必要。
②父は、これから生まれてくる子(胎児)も、母の承諾を得たうえで認知できる。
③父または母は、子がすでに死亡している場合であっても、その子に直系卑属があるときに限って、その死亡した子を認知できます。
<認知の効力>
・認知は、子が生まれた時にさかのぼって、効力を生じます。
<認知の訴え>
・親が認知しないときは、子、その直系卑属、またはこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを起こすことができます。
・ただし、父または母の死亡の日から3年を経過してしまうとこの訴えは起こすことがで
きません。
・この訴えは、裁判に基づいて、親子関係を作ろうとするものです。⇒父母自らが行う認知を任意認知といいます。
<準正>
・嫡出でない子が嫡出子になるための制度を「準正」といいます。
・父が認知した子は、そのままでは、嫡出子ではありませんが、その後、父母が婚姻することにより、嫡出子となります。(婚姻準正)
・婚姻中に父母が認知した子は、その認知をした時から嫡出子になります。(認知準正)
<認知は取り消せない>
・認知した父または母は、その認知を取り消すことはできません。
<遺言による認知>
・認知は、遺言によってもすることができます。
☆子の氏
・嫡出子は、父母の氏を称します。
・嫡出でない子は、母の氏を称します。
・子の氏が父または母の氏と異なっている場合は、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍
法に基づいて届け出ることによりその氏を変更することができます。
・父または母が氏を改めたことにより、子の氏が父または母と異なった場合、父母の婚姻
中に限り家庭裁判所の許可を得ないで、戸籍法に基づいて届け出ることによりその氏を
変更することができます。
・子の氏を変更する場合、15歳未満であるときは法定代理人が行います。